自動CAM開発が浜石の低価格・短納期実現の理由です!

Created
2021/8/18 10:53
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浜石製作所では、メカエンジニアとITエンジニアと機械加工技術者が協力し、CAMの自動化を行ったことで、加工にかかる時間やヒトの手間の削減を行っています。
これによって原価低減ができ、価格をギリギリまで下げることが可能となりましたし、短納期を実現することができています。
本記事では浜石の工場運営をガラっと変えた自動CAMをご紹介します。CAMの自動作成を行う上で大切なポイントや、実際にCAMの自動化を行う流れについて詳しく解説します。

自動でCAMを作るってどういうこと?

CAMを手動で作成する場合、加工の前段階で工具の情報を材料や加工方法などを考慮しながら人が選定する必要がありました。
自動でCAMを作成できるようになると、Gコード(工具がどうやって動くか機械に伝えるための情報)が自動で出力されるため、それを使って加工するだけで済みます。その結果、人が工具などの情報を選ぶ時間と手間が削減できます。

自動CAMの作成で必要な知識

自動でCAMを作成する上で、段取りと工具を使って切削する方法の知識が必要になります。
段取りには材料を挟んで固定する「チャック」と、材料を押さえつけて固定する「クランプ」の2種類があり、それぞれ必要となる治具や使う工具も変わってきます。私たちの工場での普段の段取りの流れは、材料・治具の固定→相対原点出し→工具の位置確認→加工開始になりますが、このような段取りの基礎的な流れをまず理解する必要があります。
また、切削する方法も抑えておかなければいけません。削り方を理解しないと治具の必要性が理解できないからです。加工する際、どの方向から工具が当てられるのかを正確に把握しておかないとマシンの故障や材料に傷がつく恐れがあります。
このように、CAMは削り方の情報をCADに付与するソフトなので、加工前の知識の理解を深めることが重要になります。

CAMが自動で作成されるまで

CADのアップロードからGコードの作成までは大体15分程度。一部の工程以外は全て自動で処理されていきます。浜石製作所では一から構造を検討し改良を重ねたため、日常の業務で使える状態にするまでに半年ほどかかりました。
 
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改良に時間はかかったものの、浜石製作所の現場作業者の方々は、CAMの自動化にはスムーズに移行できました。

自動CAMのメリット

CAMを自動で作成するようになってからは、段取り情報の作成と不要な情報を人が判断して削除する工程がなくなったので、とても楽になりました。
さらに、CADを作成してクラウドにアップロードすれば、あとはCAMの完成を待つだけなので、その間に他の作業ができるようになり時間の効率化もだいぶ向上しています。

現場加工者が自動CAM作成を行ってみた所見

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(浜石製作所でお仕事中の皆さん)
 
まず、大幅に時間短縮がされました。加工に関する情報が一つにまとまっていて、それを貼り付けるだけで完了するので、簡単に加工ができるものに関してはかなりスピーディにCAMの作成ができるようになったと感じます。
一方で、加工が複雑なもの、人の判断や経験が必要になるものに関してはまだ難しいところもあります。裏と表、側面の加工がある場合、それぞれを認識させ加工手順を分けて設定しなければいけません。形状(ポケット加工)、荒どり加工、仕上げによるひずみの発生量は、工程の手順が多いほど増えていきます。
多くの加工順序が必要になってくると、加工者の知識が必要になるので経験と知識を有していないと自動CAM作成は難しくなります。加工の際に生じるひずみの有無の検討は、浜石の現場加工者の頭の中に入っているので問題なく行えていますが、経験が浅い人が行う場合、CAE(ひずみを計算させるソフト)を使えば簡単に操作が可能です。ソフトを取り入れられれば、経験が浅い人でもCAMの作成が手軽にできるかもしれません。
ただ、研磨などのいわゆる加工前の工程まで組めるように自動化ができなければ、自動でCAMを作成する意味がありません。CADモデルがきちんとした形になっていなければ、CAMの作成が正常に行えないからです。そもそもCAMの生成はCADモデルをベースに行われます。そのため、加工前の段階から自動化で正確に行えるようになれば、複雑なCAMの作成も今より手軽にできるようになるでしょう。

自動CAM作成における今後の課題

今は3軸と旋盤の一部自動化のみに対応しているので、今後は5軸、複合旋盤、旋盤の自動化も行っていきます。いずれも3軸とは段取りが異なるため、マシンの動きに合わせて変更していかなければいけません。特に5軸の動きは複雑なので、まずは段取りと設定の変更をしてきたいと考えています。
また、現在もテンプレートの設定変更が必要となる加工がある場合など、人の手で修正しているケースもあるので、今後は完全に自動化に移行できるように調整していきます。
CAMが自動で作成できるようになってかなり楽にはなりましたが、人の判断や経験が必要なものに関しては、心配な部分が正直あります。今後は加工者の頭に入っている知識や経験なども機械学習に組み込み、自動で全て割り出されるようになればもっと使いやすくなるはずです。そうできるように今後も自動CAM作成の改善に努めていきます。